過敏性腸症候群(IBS)にかかる人は、先進国に多いそうです。先進国の1つとされる日本でも、10~15%くらいの人が過敏性腸症候群に苦しんでいるというデータがあります。では、過敏性腸症候群が先進国に多く見られるのは一体なぜなのでしょうか?
※参考文献:
過敏性腸症候群(IBS)|ガイドライン一覧|日本消化器病学会ガイドライン
過敏性腸症候群(IBS)が先進国に多く見られるのはなぜか?
過敏性腸症候群(IBS)の原因については、未だにはっきりしたことがわかっていません。このため、過敏性腸症候群が先進国で多い理由についてもはっきりしたことを言うことはできません。
しかしながら、過敏性腸症候群にはストレスなどの心理的な要素が深く関わっていると言われています。このため、過敏性腸症候群が先進国で多い理由として最も可能性が高いのは、「先進国の社会はストレスが多いから」ということです。
日本もまさにそうですが、先進国は、人間関係が希薄になり、「無縁社会」と呼ばれる状態になっています。
でも、「ご近所付き合い」とか、「見知らぬ人同士でも挨拶したり世間話をしたり親切を示し合う」といったことは、本来人間が必要としていることです。そうしたことがほとんどなくなってしまった現代社会では、ストレスに追いつめられる人が増えてしまっています。
また、仕事もストレスになります。先進国では、多くの人が会社で一日中コンピューターと向き合うような、あまり人間的ではない仕事をしています。法律だらけで融通の利かない世の中なので、仕事でミスをすればすぐに責任を問われたり会社が賠償責任を負わされたりします。また、日本では、「お客様は神様」というわけのわからない考え方のもと、理不尽なクレームや要求に文句も言えず対応している人がたくさんいます。
このようなわけで、先進国はストレスの非常に多い社会となっており、それゆえに過敏性腸症候群にかかる人が多いのかもしれません。
現にカルボは、海外の発展途上国で生活した経験が何年もありますが、ゆっくりと時が流れるようなのどかなところでストレスがあまりなかったせいか、過敏性腸症候群の症状が和らいでいました。しかも、そこはコンビニがたくさんある日本とは違っていつでも近くにトイレがあるという安心感がないのにも関わらずにです。
裕福な先進国はストレスが多く、貧しい発展途上国はストレスが少ない…何とも皮肉な話ですね。
もちろん、発展途上国では、国から何の援助も受けられず極貧の生活を送っている方々も多くいるので、どちらがいいかを一概には言えませんが、「豊かな生活」とは何かについて考えさせられます…。
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記事の執筆日:2020年1月17日
記事の最終更新日:2020年5月30日