心と体の関係を考えるブログ

過敏性腸症候群(IBS)と20年向き合った経験や最近になって慢性化しかけた腰痛に苦しんだ経験を通して、心と体の関係に興味を持つようになりました。調べて学んだことや経験したことを記事にしています。

過敏性腸症候群(IBS)の原因は「免疫の誤作動」と関係?

過敏性腸症候群(IBS)の原因は「免疫の誤作動」と関係?

どんな病気でも、その原因を解明することは非常に重要です。原因がわかれば治療法も確立しやすいですし、逆に原因不明の病気の有効な治療法はなかなか見つかりません。

 

過敏性腸症候群(IBS)も原因がまだはっきり解明されていませんので、これといった治療法が確立されていません。

 

でも最近、ベルギーの研究者が発表した論文により、希望の光が見えました。彼は「過敏性腸症候群(IBS)の原因が免疫の誤作動にある」という仮説を立てた上で、実験を行いました。

 

その実験は、以下のようなものでした。

・食中毒を起こすバクテリアをマウスに感染させ、それと同時に、卵に含まれるタンパク質(オボアルブミン)を食べさせた。なお、オボアルブミンはマウスにとってありふれたタンパク質であり、通常は健康被害を起こさない。

・時間の経過と共に、マウスは食中毒から回復し糞便からもバクテリアが消えた。

・次に、オボアルブミンだけをマウスに与えた。

・すると、マウスの体にはもう食中毒の原因となるバクテリアが存在しないに、まるで食中毒を起こしたかのように免疫系が活性化した

 

この実験結果は何を意味するのでしょうか?

 

この結果は、バクテリアに感染したマウスの免疫が、それと同時に食べた無害のオボアルブミンも、「敵」として認識してしまったことを意味します。

 

免疫は一度感染した病原体を記憶することで二度目の感染を防ぐ役割を果たしますが、病原体だけでなく、その時に一緒に摂取していた食べ物も「敵」として学習してしまうことがあるということです。これは「免疫の誤作動」の一種と言えます。

 

結果として、その食べ物を摂取するごとに、免疫システムが作動してしまい、脂肪細胞からヒスタミンが分泌され、炎症が起きます。そして、このとき分泌されるヒスタミンは腸のニューロンを非常に敏感にし、腸内の食べ物の存在や消化に関係する腸自体の運動をも「痛み」として知覚してしまいます。これにより、過敏性腸症候群の症状が起きるというわけです。

 

ちなみに、遺伝的にヒスタミンを分泌する脂肪細胞をもたないマウスで同じ実験を行った結果、マウスは痛みの反応を示さなかったということです。

 

また、同じような結果は、小規模ながら人間を対象にした実験でも得られました。過敏性腸症候群患者から、よく腹痛を起こす特定の食べ物の成分を抽出し、腸壁に注射したところ、注射した場所だけにヒスタミンを原因とした反応が起きたということです。

 

この研究結果は、「細菌性の下痢にかかった後に過敏性腸症候群を発症してしまう人がいる」という事実と調和します。そして、この説が正しいとすれば、抗ヒスタミン薬が過敏性腸症候群の治療に役立つ可能性がある、ということになります。

 

ただし、この説は、入学や入社、引っ越しなどの環境の変化や強いストレスにさらされたことによって過敏性腸症候群を発症する人がいる理由を説明することができないように思います。

 

カルボも、大学進学のために一人暮らしを始めてから過敏性腸症候群を発症しました。今思い出すと、確かに一人暮らしを始める前日の夜にひどい下痢になったので、あれはもしかしたら細菌性の下痢だったのかもしれず、それが過敏性腸症候群の発症に関係した可能性もあるとは思います。でも、その後は明らかに、食事の内容とは関係なく、ストレスの強弱、環境の変化によって症状がよくなったり悪くなったりしていました。

 

この意味では、免疫の誤作動が過敏性腸症候群の原因であると言われても、個人的には納得感がそんなにないのですが、でも、この研究が有効な治療法の確立につながっていったらうれしいと思います。

 

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情報元の記事

急なお腹の痛み「過敏性腸症候群」の原因がついに判明!ストレスや不摂生ではなく免疫のせいだった - ナゾロジー

https://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=73948&-lay=lay&-Find.html

 

記事の最終更新日: 2021年1月22日