有名人や企業がトラブルやスキャンダルを起こしたという情報がネットに出た時に、すぐにそのことをYouTubeやSNS、ブログなどで取り上げて叩いたり拡散したりする人がいます。
僕はそういうことは危険だと思っています。なぜなら、そういった情報は真偽がはっきりしていないケースも多いので、不当に他者を貶めてしまう可能性があるからです。
たとえば、最近、ある会社の社長が元役員にひどい暴言を浴びせたという記事が週刊誌に掲載され、その音声ファイルが公開されていました。そして、それにいろいろなYouTuberが反応して、彼を一方的に断罪するような内容の動画を上げました。
確かに、その音声を聞くとひどい内容の暴言です。でも、その社長の発言部分だけが切り取られており、どのような文脈の中でそうした暴言を発したのかは今のところわかりません。社長側にも何らかの言い分がある可能性があります。
もちろん、どんな状況であろうと暴言は吐くべきではありませんので、その社長に非があるのは間違いないでしょう。でも、どの程度非があるのかについてははっきりしない部分もあります。
物事の一部分だけを見て、すぐさま一方的に断罪するのはどうなのかと思います。その人の名誉を過剰に傷つけてしまう可能性があります。
また、「ある居酒屋の弁当をUber Eatsで注文したが届いたものが写真と全然違ってこれはおかしいのではないか」という趣旨の画像付きのツイートが何度もリツイートされ、拡散されていました。
でも、そのツイートの真偽は、その人の知り合いでもない限り確かめようがありません。また、その居酒屋のすべての店舗がそういう弁当を提供しているわけではなく、たまたま注文した先の店舗が不誠実だっただけかもしれません。
にも関わらず、そうした情報に「その居酒屋は詐欺」といったコメントを付けて拡散するのはどうかと思います。その居酒屋の評判を不当に傷つけてしまう可能性があります。
というわけで、他者の評判に関わるような情報を安易に拡散したり、事情を詳しく知らないのに他者を叩くようなことはよくないかと思います。
人を貶めていると、やがてそれは自分に返ってくるでしょう。また、他者を攻撃しても幸福度は上がりません。幸福度を上げるには「親切であること」や「いろいろなことに感謝すること」が大切です。
記事の最終更新日:2020年12月5日